結婚相手紹介サービスの「マル適マーク」を考える 7月7日【月】東京会場、7月10日【木】大阪会場の両会場で結婚相手紹介サービスの「マル適マーク」に関する説明会が開催された。説明会の案内は、「結婚相手紹介サービス業連絡会」、世話役はNPO法人 日本ライフデザインカウンセラー協会(理事長 原口博光氏)。司会進行も説明も全て原口氏。参加費用は、2,000円。(東京会場は午後1時30分開始〜3時6分終了、私も参加して説明を伺った。) これは、結婚相談や結婚情報サービスをめぐるトラブルが絶えないから、優良事業者に「マル適マーク」の認証を与えるとゆう、新制度である。認証制度は、経済産業省が後押ししており、エステ業界に続くものである。 この内容や出来た背景は、業界に23年以上身を置く者として理解できる。 だが内容を知った街の多くの仲人の評判は芳しくない。最大の理由は、審査費用や認証費用が高いからだ。勿論「高いか」、「安いか」、それとも「妥当か」の判断は事業者間によって異なる。 また、費用対効果で、認証マークを得て入会者が増えれば安いものだとの考えも出来る。 だが、この業界は、普通の業界と違い零細な個人経営が4千近くある事業者の約7割を占める。大手を除き1ヶ月で平均一人の新規会員が獲得できるか、出来ていないかの業界だ。入会金や登録料なども、新規会員を獲得しても、新入社員の給料の半分以下である。事業者により5万円〜10数万と幅があるが、たかがしれている。一部業者は20万〜35万程度を入会時に頂く者も中にはいるがこれらは数少ない部類。お見合い料や成婚料など成功報酬で頂く料金設定が多いのも特長だ。最近は自分を知らず、相手に対する要求のみが高く、結果として成婚も難しく、事業収入も不安定。自宅でなく、事務所を借りて人を使って運営している所は特に経営難の事業者も多く出て来ている。 また特定商取法の指定業者となってからは、かなり入会時の料金は下がる傾向にある。契約書や返還金の問題があるからだ。最近は競争激化で入会金無料〜3万円などと、かなりダンピングして、仲間の足をひっぱる者も多く出てきており、広告宣伝の効果も薄れ見込み客情報も少なくなり、仲人の経営はかなり厳しい現状だ。 個人情報保護法の影響で、仲人の仕事の仕方も異なってきており、また、この法律以降、見込み客 情報も急激に減ってきている。個人が資料請求などで自分の情報を出すことにかなりの警戒感を抱きはじめたからだ。 このような環境にあってこのマル適の審査機関が非営利でなく営利を求めているのではないかとさえ疑問を抱く仲間の仲人も多くいる。業界の評判が悪いから、クレームが多いから、独身者が安心して結婚相手紹介サービスを利用できる環境づくりに取り組む。この意図は理解できる。これが出来たら、認知度もあがり、利用する一般独身者が増える・・・と期待しているようだが、ことはそう簡単には進展しないかもしれない。(私の知るほとんどの仲人は、真面目にこの仕事に取り組み、儲からなくても、誇りをもってやっている)。 この制度が発足して、動き出して数年で、まったく予測とは逆の結果、最悪のシュミレーションを想定した場合考えられる。マル適マーク獲得した業者以外は、広告宣伝や、公共会館などの利用が規制されるケースも予測できるからだ。こうなると、街のボランティア的な、善良な零細事業者は営業活動も出来なくなるかもしれない。(勿論、これは、考えすぎで、全くの杞憂に終わることを望むが・・・) 現在、「マル適マーク」の名前位は仲人は皆知っている。でもこの制度の背景や詳細を適切に知っている仲人は、業界で4千近くある事業者の2割(800)もいないのではないか、せいぜい1割(400)程度と推察する。7月に東京と大阪の説明会のあと来月(8月)から事業者の申請を受け付け、2,008年内に認証1号が出す予定とのこと。マル適の内容詳細を知れば知るほど業界全体にどこまで浸透するかは、はなはだ疑問である。 今年の申請や審査にパスするところはせいぜい事業者数の5%(200)もあればいいとこだと予測する。来年からも3〜4ヶ月に1回のペースで随時審査を実施するとのこと。来年から多くの仲間が申請すればよいが、多分料金が現状のままだと、来年末でも事業者の1割(約400)が申請したり、認証を得るのはそう簡単ではないのではないだろうか? この制度は、ここ1年から2年で急ピッチにまとめあげられ、非営利団体「日本ライフデザインカウンセラー協会」(JLCA)が中心に動き、一連の動きと手続きの結果、自らが語っていた通り審査機関となった。 審査に関しては、外部の識者に委託、書類審査⇒実施審査⇒審査委員会⇒判定委員会も審査スケジュールで行われるようだ。(我々の事業規模に比較して、何か少し大げさすぎはしないか?お金のかかる原因の一つもこの辺にもあるのでは?) ここで、結婚相手紹介サービスの審査費用をエステ業界と比較してみたい。 ●結婚相手紹介サービスとエステと比較した審査費用以下の通り。 結婚相手紹介サービス・・・・ エステティックサロン 審査申請費用 21,000円 ・・・21,000円 書類審査費用 31,500円 ・・・31,500円 現地審査費用 105,000円 ・・・52,500円 認証費用(3年間)302,400円(月額8,400円) ・・・52,500円(月換算1,458円) 合計費用(3年間)459,900円 ・・・157,500円 同じ認証制度だが、費用は約エステ業界の約3倍であることが分かる。零細事業者が簡単に払える金額ではない。特に認証費用月額8,400円、3年間で302,000円には、驚く。 ●結婚相手紹介サービスとエステと比較した業界概況は下記の通り。 結婚相手紹介サービス ・・・・ エステティックサロン 事業者数(店舗数) 3,700〜3,900社 ・・・10,000店 売り上げ高 約500〜600億円 ・・・・約 4,000億円 会員数 約 60万人 ・・・・不明 相談・クレーム 約月2千〜3千件 ・・・・約1万件 ●説明会でエステと比べて何故高いか?の東京会場・説明会での質問書への回答は? エステは、有力企業から1名、10名くらいのスタッフを(日本エステテイック機構)へ派遣している。 JLCAは私(理事長)と受付の女性1名。また日本中に審査訪問が必要、出張料や審査員の費用等もかかる。私は他の仕事で生活している・・・。おおまかな説明を受けたが、納得できる説明ではなかった。・・・積極的に活動されて、業界をまとめれれた今回の動きには感服するし、また尊敬もする。何か新しいことをする場合の困難さも理解できる。だが今回の説明会は、やや一方的な印象を受けた。 平成20年6月16日付け「マル適マーク説明会」の案内状の差出人「結婚相手紹介サービス業連絡会」に記載された参加団体の5社の代表は誰か来ていたのだろうか?少なくとも私の知っている5社の代表の顔は会場で見受けられなかったようだが、会場の後方かどこかに参加されていたのであろうか?「マル適マーク」を本当に浸透させたいなら、初めての説明会に名前を連ねた代表の過半数は参加しても良かったのではなかろうか?それとも、マル適マークの加入は、自らの本部の運営方法や経営にも大きく影響するので、様子見の状態だろうか?支部の経営が困難になれば、それはそのまま本部経営にも直接影響する。 元に戻る。個人事業者が7割以上を占める、当業界が売り上げ高8倍の規模のエステ業界の審査費用の約3倍近くを払わねばならない。これが不人気の最大の理由である。なかばボランティでお世話している仲人が、儲かっていない仲人が、これだけのお金を払う余裕もない。大手だって上場企業はツヴァイの1社のみ、業界最大手オーネットも昨年末楽天グループに譲渡した位で、そんなに儲かっていない。店舗ごとに上記の審査費用を払うと大きな負担となる。本音は、何故このように高い認証料なのか、これでは認証を得ようとは思わない零細事業者が大多数となるのも当然だ。 説明会につぃてに記載された【3.検討の経緯】を読むと:平成20年の今年、結婚相手紹介サービス業連絡会なるものが出来て、1月、第1回会合、2月第2回会合、5月第3回会合がもたれたとのこと。結婚相談業サポート協会(NNR、BIU、JBAなどが加盟)や全国仲人連合会などもこの5団体の連絡会のメンバーに名前を載せている。 このメンバーは街の仲人の生の声を聞いて、今回のマル適マーク認証に関する審査費用に反映しているのか、是非聞いてみたいものだ。仮定だが、もし 「連絡会で少し高いと言ったが・・・現実は(準備されていた金額で)決定した・・・」のだったら、困る。堂々と零細業者の意見を代弁して審査費用の抑制に動いて欲しかった。東京、大阪の説明会の後となった今では、難しいかと思うが、今後費用の見直しがあれば強力に主張して欲しい。認証制度も経験豊富な日本の多くの仲人の生の声が反映しない内容は、賛同者は増えないのではなかろうか・・・。 また、認証を受けた事業者と受けない事業者が同じ情報を共有して同じ仕事をしてゆくことになるが、 NNRやBIU、JBA・・・・など本部の運営も色々と今後、このビジネスを展開してゆく上での新たな問題は発生しないのか?日本の少子高齢化社会にささやかながら貢献している、街の良心的な仲人さんたちの生の声を聞いてみたい。 マル適マークの制度は出来たが、今のままでは業界全体にはなかなか浸透しない予感がする。 「仏作って魂い入れず」。マル適マークの制度が誰かの金儲けの手段?になることだけは絶対にして欲しくない。そもそも仲人業Matchmaking Serviceは、一般企業のようにビジネスにはなりにくいサービス業である。この仕事で儲けている人は、あまりいない。人のお世話が好きで、半分以上ボランテイでやっている零細仲人が圧倒的多数な業界である。 「マル適マーク」の認証制度が、正常に出発進行!!日本の将来に貢献する制度になって欲しい。皆様もこの動きに関心を持ち是非注目して欲しい。 有限会社 タイム ブライダル サービス http://www.tbnet.co.jp/ 大石 篤美