結婚相談所を開業したいけど、いきなり始めるのは不安だという人も多いでしょう。
結婚相談所は、開業時の初期費用や運営費用が抑えられるため、独立開業したい人にオススメです。
また自分のペースで運営できる点も魅力の一つです。
この記事では結婚相談所の開業準備から、営業準備・費用などを解説していきます。
結婚相談所の開業はやりやすい?
結婚相談所を開業するのは難しそうに感じるかもしれませんが、実は開業するハードルはそこまで高くありません。
当然ノウハウを持っている人の方が専門性が高く有利ですが、ノウハウを持っていない人でも始めることはできます。
未経験者でもチャンレンジしやすい
結婚相談所の仕事は結婚したい人を成婚に導く事がメイン業務なので、既に結婚相談所で働いている人であれば独立しやすいです。
しかし研修等を受ける事によって結婚相談所の経営ノウハウを身につける事もできるため、経験不足でもそれをカバーすることは可能です。
また結婚相談所の開業資金は他の業種と比べて比較的に抑えやすいので、資金繰りも比較的楽だと言えます。
女性も開業しやすい
結婚相談所は、法律上は男性も女性も開業できるようになっています。
ただ実際に開業する場合、女性の方が開業しやすい傾向にありますよ。
結婚という課題に対しては女性の方が多くの人に信頼され、信用を得やすいことが理由の一つとなっています。
結婚相談所を開業する前に明確にしておくべきポイント
結婚相談所を開業する前には、次の4点は明確にしておきましょう。
- 開業の目的
- 法人営業・個人営業の選択
- 本職にするか副業で始めるか
- 連盟加入の有無
結婚相談所の運営方式や目的を決めておかないと、始めた後に失敗してしまうことになりかねません。
以下にそれぞれのポイントを解説します。
開業の目的
結婚相談所を始める際は、開業する目的を明確にしてから始めましょう。
「楽そうだから」などという曖昧なイメージだけで始めてしまうと、長く続きません。
長期的に利益が出るためには、なぜ結婚相談所を始めるか決めておくと良いです。
例えば「結婚相談所を通じて人の役に立ちたい」などの目的があると、成功しやすいです。
法人営業・個人営業の選択
結婚相談所を始める際は、会社などの法人を設立して始める方法と、個人事業主として始める2つの方法があります。
会社を設立して大きなイベントを運営するとお客様の信用は得やすいですが、経理処理などが手間となります。
一方個人開業する場合は税務署に開業届を出すだけで始めることが可能です。
結婚相談所は個人事業主として開業し、利益が大きくなってきたタイミングで法人化する人が多いです。
本職にするか副業で始めるか
結婚相談所を始める際に今の仕事を辞めて本職にするか、副業として始めるかも決めておくべきポイントです。
今の仕事を辞めて本職にすれば事業に集中はできますが、開業後すぐに利益が出るとは限らないので収入面は不安です。
結婚相談所の仕事は週末だけ、仕事が終わった後の時間だけでも可能です。
そのため副業として起業することも難しくなく、コツコツと副業収入を稼ぐこともできます。
連盟加入の有無
結婚相談所を開業するにあたって、「連盟」と呼ばれるフランチャイズ本部に加入するかどうかも決めておく必要があります。
連盟に加入すると、連盟内の相談所は会員のデータを共有することができます。
そのため会員同士の出会いの幅を広げることができるので、利用者の満足度も高くなります。
しかし、連盟に加入するとフランチャイズとしての費用が掛かる点を計算しておきましょう。
結婚相談所の開業準備
結婚相談所の開業準備をする際は次の流れで進めます。
Step1.店舗決め
結婚相談所を始める際は、ある程度のスペースを確保した上で始めます。
場所がないときは店舗を準備しますが、場所があれば運営はできるのでおおがかりな設備投資にはなりにくいです。
店舗の立地も重要ですが、近隣の喫茶店などを利用することも可能なので、コストを計算して店舗が必要か判断しましょう。
フランチャイズの場合は本部が所有する支店を無料で使えるところもあります。
Step2.従業員の確保
オーナー一人で始める結婚相談所の場合、従業員の採用や教育は不要。
しかし従業員が必要な場合は、従業員の確保と教育が必要となります。
またオーナー自身が未経験者の場合は、研修に参加して知識をつけておく必要がありますよ。
フランチャイズであれば本部が実施する研修を受けることが可能です。
Step3.資格・免許を取る
結婚相談所を開業するにあたって、特別な資格や免許は必要ありません。
しかし、次のような民間資格を所有していると、結婚相談所としての強みにできます。
- 仲介士
- カウンセラー
- ファイナンシャルプランナー(FP)
また結婚相談所は第三者同士の結婚を取り持つ仕事なので、コミュニケーションスキルなども身に着けておくと良いです。
また、法人として始める場合は会社を設立する必要があり、手続きが別途必要です。
Step4.フランチャイズか個人で開業する
結婚相談所を始める際は、フランチャイズとして始めるか個人として始めるか決めましょう。
早く開業したい人や未経験の人は、フランチャイズでノウハウを教えてもらいながら開業するのがおすすめです。
その他にも個人・法人の選択や本業・副業の選択もあるので、開業までの期間やコストと照らし合わせて検討しましょう。
結婚相談所を開業前に決めておくべき営業方針
結婚相談所を開業する前には、次の点は決めておきましょう。
- サービス方針を固める
- 集客方法の明確化
- 看板やHPの作成
開業するまでの流れを把握して、できるだけ早く対応していきましょう。
以下にそれぞれの営業方針を解説します。
サービス方針を固める
結婚相談所を始めるにあたって、どのようなサービスを展開するか決めておきましょう。
結婚相談所は結婚を希望する人同士のお見合いをセッティングするのがメインにはなりますが、婚活パーティーを開くなどの企画を運営する方法もあります。
独自のアイデアを採用すると他の結婚相談所と差別化が図れます。
またサービスの方針を定める際は、同時に料金設定も行います。
一般的には次のような費用を決めておく必要があります。
- 入会金
- 登録料
- 月会費
- お見合い料
- 成婚料
他の結婚相談所の料金などと比較して決定しましょう。
集客方法の明確化
結婚相談所を運営するにあたって、どのように集客を行うかは重要です。
現在はネットで結婚相談所を探すことも多く、HPは準備しておくべきでしょう。
またSNSなどを利用して宣伝活動をするのもいいでしょう。
ただし、ホームページを外注したり広告を掲載してもらったりするとコストがかかるので、コストとのバランスを考えて集客方法を決めましょう。
看板やHPの作成
開業にあたって集客方法が決定できれば、看板やHPを作成して集客する媒体を作成します。
自身でホームページが作れない場合は、コストを抑えるためにSNSを活用するのも一つの方法です。
また事務所を準備するのであれば、近くに看板を設置することで集客活動も促進できるでしょう。
結婚相談所の開業にかかる費用一覧
結婚相談所の開業にかかる費用を一覧表で紹介します。
費用項目 | 費用目安 |
---|---|
物件取得費 | 約100万円 |
結婚相談所連盟への加盟金 | 約50万円~100万円 |
備品購入費用 | 約20万円 |
広告宣伝費用 | 約50万円 |
結婚相談所の開業にかかる費用
結婚相談所の開業にあたって、次の費用が掛かります。
- 物件取得費
- 結婚相談所連盟への加盟金
- 広告宣伝費
- 設備に必要な消耗品費
それぞれの費用の内容とどの程度かかるかまで解説していきます。
物件取得費
結婚相談所を始める際の事務所を準備するのであれば、物件取得費がかかります。
10坪程度の事務所を準備するのであれば、およそ100万円程度です。
応接用のスペースさえあれば開業できるので、それほど大掛かりな物件を取得する必要はありません。
自宅の一室や喫茶店を利用する場合は、さらに費用を抑えることが可能です。
結婚相談所連盟への加盟金
結婚相談所連盟への加盟は必須ではありません。
ただ連盟に加盟すると、連盟内の相談所は会員のデータを共有することができ、さらに結婚相談所の運営に関するサポートを受けられることがある等のメリットがあります。
自分で会員を集めて結婚相談所を運営する方法もありますが、自分の力だけでは十分な会員数が集まらず運営が厳しくなってしまうことも。
上手く会員数を確保できるか心配な場合は、連盟の加入を検討しておきましょう。
その際は各連盟の説明会に参加し、詳細の説明を受けた上でどこに加盟するか判断するといいでしょう。
連盟に加盟する場合、加盟金として50~100万円程ほどが必要となります。
その代わり、連盟の看板や信用を利用できることによって集客が有利になり、広告費のコストを抑えやすくなります。
広告宣伝費
結婚相談所を開業した後は、認知してもらうために広告活動を行います。
ホームページの作成や広告などのチラシ配布で、およそ50万円程度がかかります。
ホームページ作成を外注しない場合など、宣伝費も削減しようと思えば可能です。
設備に必要な消耗品費
結婚相談所の運営をするために必要な消耗品を準備する費用として、およそ20万円程度はかかると計算しておきましょう。
顧客管理を行うPCや事務所内のテーブルやイス、カウンセリングシートなどの備品が対象です。
結婚相談所の開業で失敗する原因
結婚相談所の開業で失敗する原因としては、次の点が挙げられます。
- 会員数が増えない
- コミュニケーション不足
- 初期費用が高い
結婚相談所を開業しても思ったように利益が出ずに終わってしまうこともあり得ます。
事前に失敗してしまう原因を確認しておきましょう。
以下にそれぞれの失敗するポイントを解説します。
会員数が増えない
結婚相談所を継続するためには、ある程度の会員数を確保する必要があります。
会員数が増えなければ、経営が成り立たなくなるからです。
フランチャイズに加入している場合は会員を共有できるので相手探しには困りませんが、個人でやっている場合は特に相手探しが大変です。
「友人や知人に声を掛ければ問題ない」と考えていると失敗しがちなので、具体的な集客方法を検討しておきましょう。
特に友人を誘う場合、お金を取れずに収入にならないこともあります。
コミュニケーション不足
結婚相談所を運営する場合、相手の話を聞いて上手く回答するコミュニケーション能力は必須です。
会員の希望する条件を上手くくみ取って、ぴったりの相手を紹介できなければ上手くいきません。
また連盟に加入している場合は他の結婚相談所と協力して相手を探すこともありますが、その際もコミュニケーション能力は必要です。
人と積極的に話すことに慣れていないと失敗することもあります。
初期費用が高い
結婚相談所を開業するメリットとしては、初期費用の安さがあります。
そのメリットを活かし、開業のための初期費用をできるだけ抑えるようにしましょう。
開業直後はすぐに入会が発生するわけではないので、無理に事務所を準備する必要はありません。
費用を抑えるために、自宅の一室を利用したり、近くの喫茶店やホテルのラウンジを利用することもできます。
初期費用をかけすぎてしまうと会員が集まるまでなかなかコストを回収できず、そのまま赤字で終わってしまうこともあります。
最初は開業する際のコストは抑えて、サービスの質を上げることに注力すると会員が集まってから成功しやすいです。
結婚相談所を開業する時に利用できる助成金・補助金
結婚相談所の開業は低資金でできるとは言え、資金調達方法に悩んでいる人もいるはずです。
利用できる助成金や補助金としては、次の借入先があります。
- 民間銀行
- 日本政策金融公庫
- 地方自治体
民間銀行では高額の融資を受けることもできますが、実績がない場合は審査に通りづらい特徴があります。
また日本政策金融公庫は、新規事業の立ち上げの際に創業資金総額の10分の1以上の自己資金があれば融資を受けられるため、融資のハードルは低いです。
自治体の助成金制度はそれぞれの自治体ごとに決まっているので、確認してみましょう。
例えば商工会議所の「小規模事業者持続化補助金」などは結婚相談所開業時の広告費などが補助の対象となっているので利用しやすいです。
ただし、補助金や助成金は支給されるまでに時間がかかることもあるので気をつけましょう。
結婚相談所を開業したい人におすすめのフランチャイズ
結婚相談所を開業したい人におすすめのフランチャイズは次の3つです。
- 良縁ネット
- ノッツエ
- ライフスタイルソムリエ
フランチャイズにもいくつかあるので、それぞれのフランチャイズの特徴を知ってから選んでください。
以下にそれぞれの特徴を解説します。
良縁ネット
良縁ネットは、結婚相談所が持つ会員データを個人経営や小中規模の結婚相談所を共有するWebシステムを開発した結婚相談所連盟です。
後述するノッツエやライフスタイルソムリとは違い、良縁ネットは「連盟」という分類にカテゴライズされます。
相談所の開業に伴って、経営に関する不安や疑問に対してアドバイスしてくれる等、手厚いサポートを受けられます。
さらに加盟後は基礎研修や定期的な研修会などを受講できるので、未経験者でも安心できます。
また開業後のサービスは、良縁ネットが開発したWebシステムや、会員情報を活用しながらサービスを提供していく形式をとるため、フランチャイルズにはない相談所ならではの強みを有しています。
ノッツエ
ノッツエは、仲介ビジネスを展開する結婚相談所フランチャイズです。
ノッツエは入会接客やお見合いのセッティングを、全国の独自サロンでできる点が魅力です。
サロンは無料で利用できるので、低コストで開業できます。
また開業前には婚活カウンセラーによる初期研修を受けることもでき、システムの使い方から説明してもらえます。
ライフスタイルソムリエ
ライフタイムソムリエは、成婚ソムリエによる婚活サポートを行っているフランチャイズです。
恋愛能力指数を高めるイベントやカウンセリングなどによって、出会いから結婚までのすべてをサポートします。
研修や定期的な勉強会も豊富で、加盟後のサポートも充実しています。
結婚相談所を開業する際の注意点
結婚相談所を開業する際には、次の点に気を付けましょう。
- 開業目的を明確にして始めよう
- 初期費用はなるべく抑えよう
- フランチャイズから始めるのも1つの手段
結婚相談所を開業する際は、長期的に続けられるように計画して始めましょう。
以下にそれぞれの注意点を解説します。
開業目的を明確にして始めよう
結婚相談所は開業する際に必要な初期費用も安く、未経験者でも開業しやすい特徴があります。
そのため「楽に始められる」と考えて開業してしまう人も多いです。
しかし、結婚相談所を開業するのであれば、「なぜ結婚相談所でなければならないか」を明確にしておきましょう。
曖昧な理由では途中で行き詰ってしまうことが多く、失敗しやすいです。
どうして結婚相談所が良いのかを明確にしておけば、自社の強みも出しやすくなるので一石二鳥です。
初期費用はなるべく抑えよう
結婚相談所を開業する際の初期費用はできるだけ抑えましょう。
特に個人事業主として始める際は最初から入会者が多数来るケースは少ないので、初期費用をかけすぎると赤字経営になりやすいです。
最初のうちは事務所も自宅の一室を利用するなどして、費用を抑えることをおすすめします。
フランチャイズから始めるのも1つの手段
結婚相談所の運営を成功させるために、フランチャイズへの加入も選択肢の1つです。
連盟は全国各地の結婚相談所を束ねている組織で、開業支援や結婚カウンセラーの活動サポートを行っています。
結婚相談所のノウハウを教えてもらえるため、個人で始めるよりも安心できます。
またフランチャイズに加入すると、本部が所有する会員情報を利用できるので、お見合い相手も探しやすくなります。
フランチャイズで始めると加盟金やシステム使用料などの費用は掛かるので、どちらが良いか検討しましょう。
結婚相談所は低リスクで開業出来る!目的を明確化してチャレンジしてみよう
結婚相談所の開業は低リスクでできる、始めやすいビジネスです。
結婚相談所を始める目的を明確にしておかなければ途中で挫折することになりかねないので、始める際は結婚相談所を始めて何を為すかを明確にしておきましょう。
未経験から始める場合でもフランチャイズに加入するなどの方法もあるので、検討してみてください。